バーネットと羽田詩津子と朝子先生

朝子先生のお気に入り
ふとしたことから、思い出した。
結婚して、子どもをもとうと思った時、
理想と胸に秘めていたこの児童書の一節だ、アニメや、川端康成の訳本では知り得ない
バーネットの思いだ!
大学生の時、原書を読んで衝撃を受けた、
川端が訳さなかった言葉、たぶん、バーネットが書きたかった、一番大事な言葉があったのだ。
羽田詩津子はそれを上手に訳している。
若いお母さん方は是非、羽田詩津子の訳本を子どもさんに✨
以下の英文は、なぜ、主人公のセドリックが皆に愛される稀有な少年にそだったのかを、
端的に表現している、、、
この本は、女性の生き方を力強く主張するもの、母親に向けた育児書でもある。
It was really a very simple thing, after all,—it was only that he had lived near a kind and gentle heart, and had been taught to think kind thoughts always and to care for others. It is a very little thing, perhaps, but it is the best thing of all. He knew nothing of earls and castles; he was quite ignorant of all grand and splendid things; but he was always lovable because he was simple and loving. To be so is like being born a king.
川端訳
しかし、こんな立派な子になったのも、みんなエロル夫人のしつけがよかったからであった。
いつもやさしい心でフォントルロイのそばにいて、親切なことばかりを考え、ほかの人たちに
やさしくしなければならないと教えていたからである。フォントルロイは、素直で、人を愛する
ことを知っていた。だからまた、いつでも人に愛された。
羽田訳
結局のところ、単純なことだった──やさしく親切な心の持ち主のそばで暮らし、常に人に親切にし、人のことを思いやるようにと教えられてきたおかげなのだ。とてもささやかなことかもしれないが、これがいちばん大切なことなのだ。セドリックは伯爵のことも城のことも、まったく知らなかった。豪壮なものや華美なものとも無縁だった。しかし、とても純真で愛情深かったから、いつもみんなに愛された。そういうふうに育つということは、すなわち王として生まれることに他ならない。

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