CC’Dietセミナー
新型コロナウイルスを飼い慣らす食事 4-1
①「体内炎症を治める」編
加工肉や加糖飲料など体内炎症を促進する傾向の高い食品を避けることで、心臓病と脳卒中のリスクは大きく低下するようだ、という米国ハーバード大学からの研究報告。
慢性炎症は、心臓病や脳卒中の発症に重要な役割を果たすことが示されている。インターロイキン、ケモカイン、接着分子などの特定の炎症性バイオマーカーは、アテローム性動脈硬化症の初期段階と後期段階に関連している。
これまでの研究から、食事が体内炎症レベルに影響を及ぼすことが示唆されており、地中海式食生活のような健康的な食事パターンにおいては、いくつかの炎症性バイオマーカーのレベルが低く、心臓病リスクが低いことが示されているが、炎症誘発性の食事を長期に続けた場合に心臓病および脳卒中のリスクが高まるかどうかはよくわかっていなかったという。
研究チームは、1986年から始まった米国の大規模疫学調査(看護師研究IおよびIIの女性、医療専門職追跡調査の男性)の最大32年間におよぶ追跡調査からの、21万人を超えるデータを解析した。
BMI、身体活動、心臓病の家族歴、総合ビタミン剤の使用など種々の関連因子を調整した結果、炎症性の食品(赤肉、加工肉、精製穀物、加糖飲料など)を最も多く摂取した者は、最も抗炎症性の食品を多く摂取した者に比べて、心臓病のリスクが46%高く、脳卒中のリスクも28%高いことが明らかになった。
研究チームでは、体内炎症と戦うのに役立つ抗酸化物質と食物繊維を豊富に含む食品として、緑の葉物野菜(ケール、ホウレンソウ、キャベツ、ルッコラ)、黄色野菜(カボチャ、黄ピーマン、豆、ニンジン)、全粒穀物、コーヒー、茶の摂取を推奨するとともに、加工された赤肉や内臓肉、糖類、精製穀物、揚げもの、ソーダ類の摂取を制限することを提案している。
「さまざまな食品や食事パターン、主にそれらの抗炎症特性によって提供される健康保護についてのより良い知識は、心臓病から保護するためのさらに健康的な食事パターンを設計するための基礎を提供するはずだ」と研究者はコメントしている。
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