For Cultural Creatives
Genetically appropriate Diet情報
時間栄養学より➂
朝にタンパク質をしっかり補うことが大事
これは比較的新しい知見を含む主張ですが、いくつかの研究・レビューを挙げ、説明します。
日本の研究(早稲田大学など)で、「朝食(早い活動期)にたんぱく質を摂ることで、マウスおよび高齢女性を対象に、夕方・夜よりも筋肥大・筋機能が良好だった」という報道があります。
レビュー Effects of Chrono-Exercise and Chrono-Nutrition on Muscle Healthでは、「筋肉タンパク合成には概日リズムが関与しており、栄養・運動・睡眠を体内時計と同期させると筋肉合成・筋機能維持にプラスとなる可能性」が示唆されています。
また、「朝・昼・夜で栄養摂取の反応(たとえば血糖・脂質代謝・アミノ酸代謝)が異なる」というレビューがあります。例えば Physiological Responses to Meal and Exercise では、「同じ食事を朝 vs 夜で取ると、代謝応答が異なる」ことを示しています。 ただし、朝にタンパク質をとれば必ず筋肉が増える/体質改善が確定する、という強いレベルのエビデンス(ランダム化長期試験)がまだ十分ではありません。レビューでは「タイミングよりも、摂取総量・運動併用の方が強く影響した」旨の記述もありますので、断言は避けます。つまり、個人差(年齢・性別・体質・活動量・クロノタイプ)があるのです。
したがって、次のような認識をもつべきです。
朝(起床直後から活動を始める時間帯)は、体内リズム(代謝・消化・ホルモン分泌など)が活動期モードにあるため、社会的&文化的時間(仕事・学び・家庭活動)と整合させて食事・活動を始めることが理にかなっている。
朝食を抜く・朝食を非常に軽く済ませることは、社会生活を営むために必要とされる朝型のリズム・代謝リズムとズレが生じる可能性があり、時間栄養学的には敬遠されつつある。朝のうち(活動初期)にたんぱく質を一定量確保することは、筋肉・代謝・体内リズムという観点から見ても有益である可能性が示されている。
「個人差あり」「まだまだ、研究段階で絶対ルールではない」点も明記しておきます。
↑トップ画像データ Nutrients. 2019 Mar 13;11(3):612.


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